MEDICAL 切れ痔

切れ痔とは

切れ痔

裂肛(切れ痔)とは、肛門の皮膚や粘膜に小さな裂け目が生じる状態です。肛門周囲疾患の中でも比較的多く、成人の約2%が何らかの時点で切れ痔を経験します。男女比に大きな差はありませんが、若い成人と小さな子供に多く見られます。主な原因は、便秘下痢、出産時の圧力などによるもので、肛門に強い圧力がかかることで粘膜が裂けてしまいます。症状としては、排便時の激しい痛みや出血が挙げられます。
慢性化して傷が深くなると肛門が狭くなり、ますます排便が困難になるという悪循環にはまりやすいため、切れ痔に気付いた時点でできるだけ早く治療を受けるようにしてください、慢性化していない切れ痔であれば、軟膏や便をやわらかくする薬の服用といった保存的療法だけで比較的短期間に治すこともできます。排便は毎日のことです。痛みや出血を認めた場合、早期に治療を開始することで元通りの快適なおしり生活を送ることも可能になります。痛みでお困りの方はお気軽にご相談ください。便秘があると再発しやすいので、便秘も含めてしっかり治すようにしましょう。
また、切れ痔は成人だけでなく、小さな子供や乳幼児にも見られるため、痛みで排便を我慢することにより、子供の便秘にもつながる可能性があります。当院では肛門診察については小児も対応可能な場合があります。ご相談下さい。

切れ痔の原因

便秘により硬い便が形成されると排便時に肛門部に過度の圧力がかかり、裂け目が生じます。一方、長期間の下痢も肛門の皮膚を刺激し、裂肛を引き起こすことがあります。その他、出産時の強いいきみやストレスなどが挙げられます。

切れ痔の主な症状

代表的な症状は、排便時の鋭い痛みや出血(鮮血)です。出血は排便後に拭いたペーパーに付着する程度で、便器が赤くなるほど出血するケースはあまり多くありません。切れ痔では、痛みに悩まれる方が多いのですが、慢性化すると肛門が狭くなってしまい、さらに悪化させやすいことが大きな問題です。また、傷が深くなると肛門が狭くなるだけでなく、内肛門括約筋まで裂けることがあります。こうした状態になると筋肉のけいれんによって強い痛みが長時間持続するようになってしまいます。肛門周辺のかゆみや膨らみ(見張りいぼ)を感じることがあります。

急性裂肛

・排便時に痛みが起こる
・おしりから出血が起こる
・便秘などで硬い便を出した時に起こる

・ほとんどが数日で改善する
慢性裂肛(初期)

・排便時の痛みが排便後も持続する
・同じ場所が何度も切れると傷が深くなって潰瘍が生じる

・傷が治りにくい
慢性裂肛(晩期)

・排便時以外にも痛みを感じる
・傷の内側に肛門ポリープができる
・外側に見張りイボが形成される
・悪化すると肛門が硬く、狭窄が起こる

切れ痔(裂肛)の治療法

慢性化していない切れ痔は、外用薬の使用(軟膏治療)や生活習慣の改善で比較的短期間に症状が改善します。慢性化した切れ痔や肛門ポリープを伴う場合、肛門狭窄がある場合に手術が必要になります。当院では手術が必要かどうか診察をしっかりと行い、患者様とご相談させていただきます。手術の場合、当院では日帰り手術を行なっております。

用手肛門拡張

肛門括約筋が過度に緊張して激しい痛みを起こしている際に有効な手術です。日帰り手術が可能です。麻酔した上で、医師が指で肛門を拡張し、肛門括約筋の過度の緊張をゆるめます。切開しないため術後の痛みが軽度です。

裂肛根治術(SSG)、肛門ポリープ切除術

慢性化した切れ痔が深い溝のようになっているケースや狭窄のあるケースに用いられます。日帰り手術が可能です。麻酔をした上で、切れ痔を裂肛切除術で切除します。肛門ポリープや見張りいぼがある場合は同時に切除することが可能です。再度狭窄が生じないようにSSGSliding skin graft)法や側方皮下内括約筋切開術(LSIS)手術を同時に行うこともあります。

切れ痔の手術費用

切れ痔の治療は健康保険や国民健康保険が適用されます。症状などにより異なります。こちらでは下記に目安となる金額をご紹介します。
3割負担の場合の費用です。
20,000~約50,000

切れ痔の予防法

切れ痔の予防には、定期的な運動による便秘解消、柔らかい便を保つための食事、水分を多く摂ること、トイレでの無理ない排便が挙げられます。
小さな裂け目であれば、適切なケアと生活習慣の改善によって自然と治癒することが多いです。症状が続く場合や繰り返す場合は専門医の診察が必要です。
日常生活の忙しさや痔の診察を受けるのが「恥ずかしい」という気持ちから、なかなか受診に踏み切れない方もいるかもしれません。
当クリニックでは複数の診療科を標榜しており、肛門科の受診と分からないようにしています。また、看護師立ち会いの元、個室で診察をおこなっております。診察の体勢や声かけなどに十分配慮し、プライバシーを確保し、安心して診察を受けていただけるよう工夫しています。

 

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