つらい切れ痔の原因と、治療法や自宅での対処法 TREATMENT-ANAL-FISSURE
切れ痔(裂肛)の原因
切れ痔(裂肛)は、硬い便が肛門を通過する際に粘膜が裂けて起こるのが主な原因です。治っても再び硬い便が出ることで再発を繰り返しやすく、慢性化しやすい傾向があります。繰り返すうちに肛門の皮膚や筋肉が硬くなり、肛門が狭くなる「肛門狭窄」を引き起こすこともあります。肛門狭窄が進行すると排便が困難となり、手術が必要となる場合もあります。そのため、患部の治療に加え、便秘の改善を含めた根本的な対策が大切です。
切れ痔の治療
治療の基本は、薬物療法や生活習慣の改善です。軟膏や坐薬で炎症や痛みを抑え、排便をスムーズにすることで自然治癒を促します。便が硬くなりやすい方や便秘体質の方は、食事内容の見直しや緩下剤の使用による便秘治療を同時に行うことが重要です。
慢性化して裂け目が深くなったり、肛門狭窄を伴う場合には外科的治療が検討されます。排便時の痛みや出血がある場合は、早めに肛門科を受診しましょう。
切れ痔を防ぐ予防法
切れ痔の再発を防ぐには、便を柔らかく保つことがポイントです。
香辛料など刺激の強い食べ物やアルコールの摂りすぎは控え、カフェイン飲料も利尿作用によって便が硬くなる原因となるため注意が必要です。水や麦茶などで十分な水分を摂るようにしましょう。
また、食物繊維を豊富に含む食事を心がけてください。特に便が硬い方は、不溶性食物繊維を多く含む大豆・ごぼう・穀類などを摂取することで排便の改善が期待できます。
切れ痔についてよくある質問
切れ痔は放っておいても治りますか?
軽度の場合は一時的に症状が落ち着くこともありますが、便秘や硬い便を繰り返すと再発しやすく、放置すると肛門狭窄を起こすリスクがあります。自己判断せず、早めの受診をおすすめします。
切れ痔といぼ痔はどちらが多いですか?
痔の中ではいぼ痔の患者さんが最も多いですが、切れ痔の方も少なくありません。どちらも年齢や性別を問わず発症するため、出血や痛みがある場合は早めに専門医に相談しましょう。
どのタイミングで受診すべきですか?
出血が見られた時点で一度受診することをおすすめします。血便は痔だけでなく、大腸ポリープや大腸がんなど他の疾患でも起こるため、自己判断は禁物です。
市販薬で治せますか?
市販薬で一時的に痛みや炎症を抑えることはできますが、根本的な改善にはつながりません。再発を繰り返す場合や強い痛み・出血がある場合は、肛門科で原因を確認し、適切な治療を受けましょう。