おしりから突き上げるような痛み

おしりから突き上げるような痛み THROB

おしりから突き上げるような痛み

おしりから突き上げるような痛み

おしりの奥から突き上げられるような痛みは、多くの方にとって強い不安を感じる症状の一つです。

ズキンと刺すような痛み、ギューっと締めつけられるような痛みなど、その特徴によって考えられる原因はさまざまです。

主な原因として、痔核(いぼ痔)や肛門周囲の炎症が関係していることがあります。
痛みの部位に熱感がある場合は、冷やすことで一時的に痛みが軽くなることがあります。
一方で、痔核が原因のときは温かいお湯で温める入浴が効果的です。

考えられる疾患

痔核(外痔核)

外痔核は肛門の外側にできる血のかたまり(血栓)で、腫れや強い痛みを伴います。

特に血栓性外痔核になると、痛みが激しく夜も眠れないほどつらくなることがあります。
無症状で経過する場合もありますが、強い痛みや腫れを感じる場合は早めの治療が必要です。

肛門周囲膿瘍

肛門の周囲に細菌が入り込み、膿がたまる病気です。

ズキズキと刺すような痛みや腫れ、発熱を伴い、座るのも困難になるほど強い痛みを感じることがあります。

症状の進行によっては緊急処置が必要になることもあるため、痛みが強い場合は夜間でも医療機関へ連絡するようにしましょう。

突然ズキンと痛む場合

突然ズキンと痛む場合

突然おしりに鋭い痛みが走る、周期的に痛みが出る場合、明確な疾患が見つからないケースもあります。

このような場合、肛門や骨盤周囲の神経や筋肉が過敏に反応していることが原因と考えられます。

代表的なものとして以下が挙げられます。

  • 消散性直腸肛門痛
  • 肛門挙筋症候群
  • 陰部神経痛

これらは一過性のことが多く、自然に痛みが和らぐこともありますが、症状が続く場合は他の疾患が隠れていることもあるため、肛門科での診察をおすすめします。

妊娠中・産後に起こるおしりの痛み

妊娠中や出産後におしりから突き上げられるような痛みを感じる場合、次のような原因が考えられます。

痔核(いぼ痔)

妊娠や出産時のいきみ、静脈の圧迫により痔核ができやすくなります。
腫れや炎症により、排便時や座位で痛みを感じることがあります。

骨盤の変化

妊娠中はホルモンの影響で骨盤がゆるみ、筋肉や靭帯に負担がかかります。
これがおしり周囲の痛みや違和感を引き起こすことがあります。

神経の圧迫

大きくなった子宮が周囲の神経を圧迫し、おしりの痛みやしびれを感じることがあります。

子宮後屈(後転)

子宮が後方に傾くことで、骨盤やおしり周囲に痛みが出ることがあります。

 

その他、出産時の会陰切開や切迫早産に関連して痛みが生じることもあります。
妊娠中や産後の痛みは個人差が大きいため、症状が強い場合や長引く場合には、産婦人科への相談をおすすめします。

生理や排卵時に痛みが起こる場合

月経や排卵のタイミングに合わせて、おしりの奥に突き上げるような痛みを感じることがあります。

このような痛みは、子宮内膜症などの婦人科疾患が関係していることもあり、症状が進行すると腰や肛門の周囲にまで痛みが広がることがあります。

一時的な生理痛には、市販の鎮痛薬(例:ロキソニンなど)で症状を和らげることができます。

また、低用量ピルによるホルモンコントロールは、生理痛や排卵痛の軽減に効果が期待できます。
生理周期に伴うおしりの痛みが強い場合は、産婦人科での相談をおすすめします。

男性で痛みを感じる場合

男性の場合、おしりから会陰部(陰嚢と肛門の間)にかけての痛みは、前立腺のトラブルが関係している可能性があります。

代表的な疾患には以下のようなものがあります。

  • 急性細菌性前立腺炎
  • 慢性細菌性前立腺炎
  • 慢性非細菌性前立腺炎
  • 慢性骨盤痛症候群

これらの疾患では、おしりの奥から突き上げるような痛みや鈍い違和感が続くことがあります。

すぐに痛みを取る特効薬はなく、薬物治療に加えて生活習慣や食事の見直しが大切です。また前立腺の不調が疑われる場合は、泌尿器科の受診を検討しましょう。

我慢できないほどの痛みや高熱を伴う場合は要注意

我慢できないほどの痛みや高熱を伴う場合は要注意

強い痛みが持続する、または高熱を伴う場合は、肛門周囲膿瘍の可能性があります。
初期であれば抗菌薬の内服で改善することもありますが、進行すると膿がたまり「痔ろう」へ移行し、手術が必要になることがあります。

膿が溜まっている場合は、切開して排膿しないと治りません。

激しい痛みや発熱を伴う場合は、肛門周囲膿瘍・痔ろうの治療に対応している肛門科を受診してください。

おしりから突き上げるような痛みは腸や子宮が関係していることも

おしりの奥に感じる痛みは、肛門や直腸だけでなく、子宮・卵巣・前立腺・膀胱など骨盤内の臓器が原因となっていることもあります。

子宮が関係する場合

女性では、子宮筋腫や子宮内膜症などにより月経困難症が起こり、肛門付近まで痛みが広がることがあります。

また、子宮頸管炎・子宮内膜炎など感染性の炎症や、妊娠中の切迫早産・常位胎盤早期剥離でも強い痛みが出ることがあります。
子宮由来の痛みが疑われる場合は、産婦人科での精査が必要です。

腸の不調が関係する場合

直腸や大腸に異常があると、おしりに近い部分に痛みを感じることがあります。
原因としては、いぼ痔(痔核)、肛門周囲膿瘍、直腸がん、潰瘍性大腸炎・クローン病などが挙げられます。

また、腸の神経が過敏に反応する過敏性腸症候群(IBS)でも、肛門に近い場所で腹痛を感じることがあります。
腸の病気が疑われる場合は、消化器内科や肛門科での検査をおすすめします。

ガスや便秘が関係する場合

便やガスが腸内に溜まることで、お腹の張りや痛み、おしりへの圧迫感が生じることがあります。

放置すると腸閉塞や閉塞性腸炎など重い疾患に進行する可能性もあります。
慢性的な便秘やお腹の張りが続く方は、消化器内科での排便指導や治療を受けましょう。

膀胱炎などが関係する場合

膀胱や尿道の炎症により、おしりの奥や下腹部に刺すような痛みが出ることもあります。

特に急性膀胱炎では、排尿時のヒリヒリ感や残尿感が特徴です。
排尿に関係する痛みがある場合は、泌尿器科での診察をおすすめします。

痛みを和らげるためのセルフケア

おしりの突き上げるような痛みは、温めたり冷やしたりすることで一時的に症状が軽くなることがあります。

また、痔核や生理痛などの場合は、市販の鎮痛薬で痛みを抑えることも可能です。
ただし、痛みを繰り返す場合や原因がわからないまま続く場合は、自己判断せず医療機関で原因を特定することが大切です。

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