血便とストレス

血便とストレス STRESS

血便とストレスの関係について

血便とストレスの関係について

ストレスそのものが直接出血の原因になることは、ほとんどありません。

しかし、ストレスの影響で起こる病気のひとつに「過敏性腸症候群(IBS)」があります。これは、強い緊張や精神的ストレスがきっかけとなって、腹痛・下痢・便秘などの不快な症状を繰り返す疾患です。特徴として、大腸に炎症や潰瘍などの異常が見られない点が挙げられます。

日本ではおよそ10〜15%の方がこの病気に該当するといわれ、特に若年層に多くみられます。命に関わる病気ではありませんが、症状が長引くことで仕事や生活に支障をきたすことも少なくありません。ストレスとの関連が指摘されていますが、明確な原因はまだ解明されていません。

過敏性腸症候群による血便

過敏性腸症候群による血便

過敏性腸症候群では、慢性的に下痢や便秘を繰り返すことで肛門に負担がかかり、いぼ痔(内痔核)や切れ痔(裂肛)を引き起こすことがあります。

下痢が続くことで肛門がただれたり、便秘で硬い便が通過する際に粘膜が傷ついたりするため、排便時に出血がみられることがあります。

この場合、血便の原因は腸そのものではなく痔の出血によるものです。過敏性腸症候群の症状を整えるとともに、痔の治療も併せて行うことで改善が期待できます。

下痢や腹痛がなく血便が出るときに考えられる病気

腹痛や便通異常がなく、突然血便が出た場合には、以下のような病気が考えられます。

内痔核(いぼ痔)

内痔核(いぼ痔)

排便時に出血があるものの痛みがない場合、内痔核の可能性があります。歯状線より内側にできるため痛みを感じにくく、排便時に便が痔にこすれて出血が起こります。小さいうちは自覚症状がほとんどありませんが、大きくなると脱出(脱肛)して指で戻す必要が生じます。便秘やアルコールの摂取で悪化しやすいため、生活習慣の見直しも重要です。

大腸憩室出血

腹痛や下痢などがなく突然出血する場合は、大腸憩室出血の可能性があります。腸の壁の弱い部分に袋状のくぼみ(憩室)ができ、そこから出血する病気です。特に60歳以上の男性に多く、肥満、NSAIDs(消炎鎮痛薬)やアスピリンの服用もリスク因子とされています。

出血は自然に止まることも多いですが、改善が見られない場合は大腸カメラで止血処置を行い、それでも止まらない場合はカテーテルによる治療を検討します。

潰瘍性大腸炎

下痢や腹痛、粘血便、体重減少などを伴う場合、潰瘍性大腸炎の可能性があります。原因不明の慢性炎症性腸疾患で、国の指定難病に指定されています。炎症が強まる「活動期」と症状が落ち着く「寛解期」を繰り返しながら進行します。治療は主に薬物療法で、炎症を抑え寛解状態を維持することを目的とします。

大腸がん

大腸がんは初期のうちは症状がほとんどありませんが、進行すると血便、腹痛、下痢、便秘などが現れることがあります。ただし、進行しても無症状のケースもあります。

血便は痔による出血と区別がつきにくいため、自己判断せず早めに大腸カメラ検査を受けることが大切です。お尻からの出血を認めた場合は、放置せずに医療機関を受診してください。

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