おしりがかゆい

おしりがかゆい ITCH

おしりがかゆい

おしりのかゆみは、特に夏場など汗をかきやすい時期に多く見られます。汗や摩擦によって「あせも」や「かぶれ」が起こり、むずがゆさを感じることがあります。しかし、かゆみの原因はそれだけではありません。痔や皮膚炎、感染症など、治療が必要な疾患が関係している場合もあります。
「そのうち治る」と放置していると、症状が悪化したり慢性化することもあります。おしりのかゆみが続く場合は、肛門科を受診し、原因をしっかりと確認して適切な治療を受けることが大切です。

主な原因

肛門周囲・内部の汚れ

排便後に便が残ると、皮膚が刺激されてかぶれやかゆみの原因になります。清潔を保つことは大切ですが、強くこすったり洗いすぎるのは逆効果です。トイレットペーパーで何度も強く拭いたり、温水洗浄便座を長時間使用すると皮脂が失われ、乾燥によるかゆみを招きます。
洗浄は10〜15秒を目安に、かゆみが強いときは石鹸を使わずぬるま湯でやさしく洗いましょう。

汗やあせもによる刺激

おしりは通気性が悪く、汗がこもりやすい部位です。汗腺が詰まって「あせも」ができたり、締め付けの強い下着やおむつの使用によって蒸れが生じると、かゆみが出やすくなります。吸湿性の高い下着を選び、こまめに清潔を保つことが大切です。

痔(いぼ痔・痔ろう)

いぼ痔による出血や粘液、痔ろうからの膿などが皮膚を刺激し、かゆみを引き起こすことがあります。痔が原因の場合は、痔の治療を行うことでかゆみも改善することが多くみられます。
いぼ痔について

痔ろうについて

接触性皮膚炎

石鹸や洗剤、下着の素材、生理用品などが肌に合わず、かぶれを起こすことがあります。長時間の着用や蒸れにより、汗や尿、経血との接触で皮膚が炎症を起こし、かゆみを感じることがあります。

性感染症

外陰膣カンジダ症などの感染症では、肛門まわりにもかゆみが生じることがあります。カンジダは、妊娠や疲労などで抵抗力が低下したときに発症しやすく、白いおりものが増えるのが特徴です。
また、ヒトパピローマウイルス(HPV)の一部は「いぼ」や「がん」の原因になることがあり、かゆみのほかに分泌物の増加や不正出血などの症状がみられる場合もあります。

おしりのかゆみは、単なるあせもやかぶれだけでなく、痔や感染症などさまざまな要因によって起こります。かゆみが長引く、繰り返す、または出血や分泌物を伴う場合は、自己判断せずに早めに肛門科を受診しましょう。

日常生活でできる かゆみ予防のポイント

排便後はやさしく清潔に

排便後は、肛門まわりを清潔に保つことが大切です。便が残ると刺激となり、かゆみやかぶれの原因になります。トイレットペーパーで強くこすらず、やさしく丁寧に拭きましょう。温水洗浄便座を使う場合は短時間(10〜15秒ほど)で十分です。
また、排便の際には無理をせず、便をしっかりと出し切るように意識することもポイントです。

入浴で血行を促進しましょう

おしりや肛門まわりの血流が悪くなると、かゆみや痔の原因になります。38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かり、血行を促すようにしましょう。
長時間の立ち仕事や座りっぱなしの方は、合間に膝の曲げ伸ばしや軽いストレッチを取り入れると、血流の改善に効果的です。

肌に合わないものを避ける

石鹸、ボディソープ、下着の素材、薬品などが肌に合わない場合は、使用を控えましょう。下着を洗う際に使用する洗剤が原因で肌荒れを起こすこともあります。肌に優しい洗剤を選び、しっかりすすぐようにしてください。
また、おむつや生理用品はこまめに交換し、蒸れやかぶれを防ぐことが大切です。

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