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下痢の原因と治療について DIARRHEA

下痢でお困りの方へ

「外出中にトイレが見つからないと不安になる」
「急にお腹を下すことがあるので、遠出が怖い」
「常にトイレが近い環境でないと落ち着かない」

このように、下痢の症状に悩まされている方は少なくありません。

「頻繁に下痢を繰り返す」「便秘と下痢を交互に起こす」「発熱や腹痛、血便を伴う」などの症状がある場合は、自己判断せずに早めの受診が大切です。
市販の下痢止めで症状を抑えても、原因によっては悪化することがあります。大腸がんや潰瘍性大腸炎など、重大な疾患が隠れていることもあるため注意が必要です。

また、過敏性腸症候群による下痢では、「いつ症状が出るかわからない不安」から日常生活や仕事に支障をきたすケースもあります。

下痢とは、水分を多く含んだ便が1日に200ml以上排出される状態を指します。

通常、小腸や大腸では摂取した水分のほとんど（約99％）が吸収されますが、吸収がうまくいかない場合や腸内で水分分泌が増えた場合に、軟便や水様便として排出されます。

つまり、下痢は腸が正常に水分バランスを調整できていない状態といえます。

このような症状がある場合、脱水症状を起こすおそれがあります。

特に小さなお子さまや高齢の方は、短期間で重症化することがあるため注意が必要です。
下痢が続く、または体調の変化を感じたときは、早めに医療機関を受診しましょう。

大腸がんは初期症状が乏しいため、進行してから下痢や血便、腹痛が現れることがあります。がんが腸内を狭めることで便の通過が妨げられ、下痢と便秘を繰り返す場合もあります。このような症状が続く場合は、内視鏡検査で確認することが重要です。

慢性的な便秘で下剤を多用している場合、刺激性下剤の長期使用によって腸が過敏になり、常に軟便や下痢の状態になることがあります。
また、アルコールの摂取も腸の働きを乱し、下痢を引き起こす一因です。飲酒の機会が多い方は控えめにしましょう。

ストレスや自律神経の乱れにより、腸の動きが過剰になることで下痢や腹部膨満感を繰り返す病気です。命に関わるものではありませんが、再発を繰り返し、生活の質を大きく下げることがあります。
市販薬で一時的に改善しても再発しやすいため、医療機関での治療が推奨されます。

抗生物質の服用により腸内細菌のバランスが崩れ、悪玉菌が増えることで下痢を起こすことがあります。また、鎮痛薬（NSAIDs）を長期間服用している場合も、腸や胃に炎症を起こし下痢や血便を生じることがあります。服薬後に症状が出た場合は、医師に相談しましょう。

感染性腸炎、虚血性腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、慢性膵炎、甲状腺機能亢進症なども、下痢を伴う疾患として知られています。
発熱、嘔吐、吐き気、腹痛など、下痢以外の症状がないかを確認することが診断の手がかりになります。

下痢の原因はさまざまで、適切な治療を行うためには原因を正確に見極めることが重要です。

当院では、症状の経過・便の状態・同時に現れている症状（腹痛、発熱、血便など）を詳しく伺い、必要に応じて検査を行いながら治療を進めます。

下痢が長引くと肛門に負担がかかり、いぼ痔や切れ痔などの肛門疾患を併発することもあります。
「下痢が続いている」「市販薬を飲んでも改善しない」といった場合は、早めの受診をおすすめします。