これっていぼ痔の症状？お尻に「できもの」ができたら BOILS

これっていぼ痔の症状？お尻に「できもの」ができたら

お尻のできもの＝いぼ痔とは限りません。

お尻に「しこり」や「できもの」ができたとき、「いぼ痔ができたのかな…」と心配になる方も多いでしょう。
確かに“お尻のトラブル”というと痔を思い浮かべがちですが、実際にはいぼ痔（痔核）以外にも、さまざまな病気が原因でできものができることがあります。
いぼ痔の症状の特徴と、ほかの病気との違いについて解説します。

気になる症状がある方はセルフチェックの参考にしていただき、自己判断せずに専門医の診察を受けることをおすすめします。

いぼ痔以外に考えられる病気

お尻の「できもの」や「腫れ」は、いぼ痔以外の病気が原因となることもあります。

代表的なものをいくつかご紹介します。

直腸脱

腸の一部が肛門の外に反転して出てくる状態です。
特に高齢の女性では、肛門周囲の筋肉のゆるみが原因になることがあります。

肛門掻痒症（こうもんそうようしょう）

肛門周囲の皮膚がただれてかゆみやヒリつきが生じる疾患です。痔ろうや真菌（カビ）感染が原因の場合もあり、検査で確認できます。

ポリープ

腸の内側にできたポリープが外に飛び出して見えることがあります。
この場合はポリープ切除などの治療が必要です。

大腸がん・肛門周囲膿瘍

まれに、肛門の「できもの」が大腸がんや膿瘍のサインであることもあります。
肛門周囲膿瘍は下痢が続いたときや温水便座の過度な使用などでも起こることがあり、放置すると痛みや発熱、再発やがん化につながる場合もあります。

症状が似ていても、見た目だけでは判断が難しいため、医師による直接の診察が必要です。
内視鏡検査を行う医療機関であれば、腸内のポリープや炎症の有無も同時に確認できます。

いぼ痔にみられる主な症状

いぼ痔（痔核）は、肛門の内側または外側に血管のふくらみができる病気です。

次のような症状がある場合は、いぼ痔の可能性があります。

排便時の出血

鮮やかな赤い血が便やトイレットペーパーにつく。痛みを伴うこともあります。

排便後の残便感

「出し切れていない感じ」が続く場合、肛門内の痔核が原因かもしれません。

肛門からの脱出（脱肛）

排便時に何かが飛び出してくる感覚がある場合、内痔核の進行が考えられます。
無理に押し戻そうとすると感染を起こすおそれがあるため注意が必要です。

これらの症状がある場合は、いぼ痔の早期治療が望ましいでしょう。
放置すると症状が進行し、手術が必要になることもあります。

いぼ痔は誰にでも起こりうる病気です

いぼ痔は、性別や年齢に関係なく発症する可能性があります。

長時間のデスクワークや立ち仕事による血行不良、妊娠・出産による骨盤内圧の上昇、便秘や下痢などが原因となることがあります。

「自分は大丈夫」と思っていても、生活習慣や体調の変化で誰にでも起こりうる疾患です。
違和感や出血、しこりなどがある場合は、早めに肛門科を受診し、原因を正確に調べることが大切です。

外痔核と内痔核の違いについて

「いぼ痔」と呼ばれる痔核には、外痔核と内痔核の2つのタイプがあります。これは、いぼ痔ができる部位によって分けられています。

いぼ痔の治療とセルフケア

診断の結果、いぼ痔と判断された場合は、症状に応じて保存療法（薬や生活習慣の改善）から行います。
内痔核に対しては、痔核を硬化・縮小させる注射剤「ジオン注射（ALTA療法）」が有効な場合もあります。
血栓ができて痛みが強い場合は、血栓を取り除く日帰り手術を行うこともあります。再発を繰り返す場合や重症例では、痔核を切除する手術が検討されます。

多くの痔核は、早期に治療を始めることで手術を避けられるケースも少なくありません。
恥ずかしさから受診をためらう方もいらっしゃいますが、症状を放置せず、気になる段階でお気軽にご相談ください。

まとめ

お尻に「できもの」があるからといって、すべてがいぼ痔とは限りません。

見た目や症状が似ていても、直腸脱やポリープ、感染症、悪性腫瘍などの可能性もあります。
しっかりと原因を見極めるために、専門医の診察と必要に応じた検査（肛門診察・内視鏡検査など）を受けましょう。