血便の原因と年齢・性別との関係 BLOODY-STOOL
血便の原因について
血便は「痔」だけでなく、消化管のさまざまな病気が関係している場合があります。
ストレスそのものが直接の原因となることは少ないものの、強いストレスや生活習慣の乱れが続くと、胃潰瘍などを引き起こし、胃粘膜から出血して黒っぽい便(タール便)が出ることがあります。
痔と血便の関係
血便の原因として最も多いのが痔です。いぼ痔(内痔核)や切れ痔(裂肛)では、排便時に真っ赤な血が便やトイレットペーパーに付着します。
痔は年齢や性別を問わず誰にでも起こりうる疾患で、日本人の約3人に1人が悩んでいるともいわれます。初期は痛みなどの自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行していることもあります。
血便と性別の関係
男女で血便の原因に大きな違いはありませんが、女性は妊娠や出産の影響で骨盤内の血流が悪くなり、痔を発症しやすくなります。
また妊娠中は便秘になりやすく、強くいきむことで肛門部に負担がかかり、出血するケースもみられます。
子どもの血便について
血便は大人だけでなく子どもにも起こることがあります。便秘や下痢を繰り返すことで肛門に負担がかかり、切れ痔による出血が見られることもあります。
まれに、O-157やカンピロバクターなどの細菌感染による腸炎が原因で血便が出る場合もあり、注意が必要です。
症状別にみる血便の原因
鮮血便(真っ赤な血)
便に鮮やかな赤い血が混じる場合、痔やポリープの可能性があります。出血が多いときは入院が必要になることもあります。
腹痛を伴う血便
腹痛をともなう場合は、大腸炎や潰瘍性大腸炎、大腸がんなどを疑い、内視鏡検査で炎症や出血部位を確認します。
痛みがない血便
大腸ポリープや大腸がんは、痛みがほとんどないまま進行することがあります。血便がありながら痛みがない場合も、早めの検査が大切です。
下痢を伴う血便
下痢に血が混じるときは、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の可能性があります。発熱や下痢を繰り返す場合は、内視鏡検査で大腸粘膜の状態を確認する必要があります。
まとめ
血便の多くは痔によるものですが、なかには大腸ポリープやがん、炎症性腸疾患など重大な病気が隠れていることもあります。
ストレスや食生活の乱れが体調に影響し、結果として血便につながることもあります。普段からバランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、40代以降は定期的に内視鏡検査を受けることをおすすめします。