血便とアルコール

血便とアルコール ALCOHOL

お酒を飲んだ後に血便が出たら

お酒を飲んだ後に血便が出たら

お酒を飲んだ翌日に、トイレで赤い便や便器が赤く染まっていて驚いた経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

血便や下血は、いぼ痔・切れ痔といった良性の原因のほかに、大腸がんなど命に関わる重大な病気によっても起こることがあります。
「痔だから大丈夫」と自己判断して様子を見てしまうのは危険です。出血が続く場合や、痛み・違和感を伴う場合は、早めの受診をお勧めします。
血便と下血はどちらも肛門からの出血ですが、血の色によって出血部位の目安が異なります。

便に鮮やかな赤い血が混ざるものを「血便」、黒っぽく変色した便を「下血」と呼びます。
出血から時間が経つと血液は酸化して赤から黒へと変わるため、胃や十二指腸など上部消化管での出血は黒色便として現れる傾向があります。

アルコールと痔の関係

アルコールと痔の関係

「お酒を飲みすぎた翌日に血便が出た」という場合、多くの方がまず「痔が悪化したのかな?」と考えます。

確かにアルコールの摂取は痔を悪化させやすい要因の一つですが、血便は痔だけでなく大腸がんなどの疾患でも見られる症状です。
アルコールを多く摂取すると、体内の血管が拡張し血流が増加します。肛門まわりの静脈にも血液が集まりやすくなり、うっ血して腫れやすくなるため、いぼ痔や切れ痔の症状が悪化し出血を伴うことがあります。

また、アルコールには利尿作用があるため体内の水分や電解質が不足し、腸内で水分バランスが乱れて下痢を起こすこともあります。下痢によって肛門が刺激されると、さらに炎症や出血を招きやすくなります。
とくに日常的にお酒を飲む方は注意が必要です。血便が出ても「いつものこと」と軽視して放置してしまうと、実は大腸炎や大腸がんなど深刻な病気が隠れているケースもあります。

お酒を控えても症状が続く、下痢や腹痛を伴う場合には、放置せずに早めに消化器内科や肛門科を受診してください。

血便と大腸がん

大腸がんは、腫瘍が大きくなるにつれて腸の内腔が狭くなり、便の通りが悪くなります。便が硬いと通過できず、下痢状の便でなければ排便できないこともあります。

また、便が腸内に長くとどまることで、腹部の張りや強い腹痛が起こることがあります。大腸がんは、大腸カメラ検査で早期に発見できれば、身体への負担が少ない治療で根治を目指すことが可能です。「血便=痔」と決めつけて放置せず、少しでも気になる症状があれば早めに大腸内視鏡検査を受けることが大切です。

血便と大腸カメラ検査

血便と大腸カメラ検査

血便の原因が大腸にあるかどうかを判断するには、大腸カメラ(大腸内視鏡)検査による精密な確認が必要です。血便は大腸がんをはじめ、ポリープ、炎症性腸疾患などの初期症状として現れることがあります。

当院では、肛門科だけでなく消化器内科としての内視鏡検査にも対応しています。

そのため、「痔による出血なのか」「大腸からの出血なのか」を同じ院内で確認でき、別の医療機関に行く手間がかかりません。

当院での診察の流れ

STEP

問診

出血の様子や経過、便の状態などを詳しくお伺いします。

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診察

指診や肛門鏡を用いて、痔や裂肛などの肛門疾患の有無を確認します。

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診断説明

問診・診察結果から考えられる病気や必要な検査について丁寧にご説明します。

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大腸カメラ検査

大腸がん、ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病などが疑われる場合には、大腸カメラによる精密検査を実施します。

血便が出たらアルコールを控えましょう

お酒を飲んだ翌日に血便や下血が見られたときは、医療機関を受診して原因を明らかにすることが大切です。

同時に、予防のために飲酒量を控えることも非常に重要です。

アルコールには利尿作用があり、体内の水分が失われやすくなるため下痢を引き起こしやすくなります。飲酒を減らすことで下痢や便通の乱れが改善し、肛門への負担も軽減されます。

また、いぼ痔や脱肛を繰り返している方は、飲酒を控えることで腫れや出血の頻度が減り、症状が落ち着くケースが多く見られます。

さらに、アルコール摂取は男女問わず大腸がんのリスクを高めることが報告されています。
飲酒量を見直すことは、痔の改善だけでなく大腸がんの予防にもつながります。健康維持のためにも、日常的な飲酒を控えめにすることを心がけましょう。

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